被災地へクリスマスギフト
東日本大震災から10ヶ月。東北に再び雪が舞う季節になった。クリスマスで賑わう時期、被災地に住む人々と一緒に過ごしたいと、JCCC(日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト)のチームが宮城県気仙沼市へと出発した。東京、名古屋から学生、スタッフ合わせて20数名が参加し、クリスマスを被災地で過ごした。彼らの支援と祈りは被災地の人々に届くのだろうか・・・期待と不安の中、同行取材をした。(本誌・小川樹美子)
JCCCのステューデント・インパクト(大学生宣教部門)から発足したラブ・イン・アクション(東日本大震災ボランティア)は、震災直後3月からこれまで120名の大学生をボランティアとして派遣してきた。今回は宮城県気仙沼市と岩手県陸前高田市の仮設住宅に住む方々へのクリスマスギフト配布を企画した。「あなたが貰って嬉しい普通のクリスマスギフト(500円~1000円位)」を600個集めることを目標とし、最終的に1600個が全国から送られてきた。各教会に呼びかけ、Facebookでも宣伝をした。ギフトは4トントラックで岩手県一関市の宿泊先まで運ばれた。
12月23日
ボランティアたちが泊まる築100年ほどの古民家の居間。薪ストーブを囲んで、祈りと賛美の時。リーダーの大柿敦氏は「イエス様が愛するように被災者の方と接し、ギフトを配る。不安があるかもしれないが、メンバーが互いに愛し合い、励まし合うことが大切。」と出発前のミーティングで語った。
宮城県内の仮設住宅の総戸数は2万2042戸、その内、気仙沼市は3451戸。県内では石巻市に続いて2番目に多い。今日訪れたのは気仙沼市総合体育館駐車場にある仮設住宅(89戸)。
自治会長さんが住民名簿をチェックしつつ、ボランティアが一軒一軒ドアをノックした。「メリークリスマス!」サンタの衣装をまとったメンバーを先頭に、他のメンバーも続く。「クリスマスの物語です。」と伝道用小冊子『メインジャー』も合わせて配布した。同冊子は新生宣教団の発行。震災後、被災地のために作成されたものだ。
一人で住宅に暮らす女性が、「寄っていって」と私たちを室内に招いてくれた。津波で住んでいたアパートが流され、どこに流されたのかも分からないという。「ここ(仮設)に来ても、誰も知っている人がいなくて、独りで寂しい。ようやくできたお友達も、今家を建て替えているので、もうすぐここを出て行く。私は実家にも帰れないし…」買い物や病院に行くのも不便なようだ。誰かの車に乗せてもらうか、バスを利用している。大型スーパーからの買い物バスが週に一回来ている。
仮設には、一人暮らしの老人から三世帯同居の家まで、様々な家族構成が暮らす。私たちが訪れた住宅は2DKだった。部屋の中央はアコーデオンカーテンで仕切られている。床にはカーペットなどを敷き詰め、こたつとストーブで暖をとっている。水道光熱費は自己負担。2011年6月から入居が開始され、2年か3年で出ることになる。
12月24日
翌朝、気仙沼港の観光桟橋からフェリーに乗り、30分ほどで大島へ到着。下船すると、すぐ横にはまだ瓦礫の山があった。大島の人口は約3000人。震災前は一日1000人近くの人が気仙沼市内に仕事や買い物に出かけていた。仕事がある人は大島に1台、気仙沼側に1台と、一人で2台の車を所有していたが、今回の津波で2台とも流されてしまった人もいる。
地域の児童館を訪れた。「ホーッホーッ、サンタさんだよー!」と集まってくれた子供達に文具やギフト渡し、サッカーやバレーをして遊んだ。
その後、フェリーで戻り、次の長磯前林仮設住宅(60戸)へ移動。住民が集まってクリスマス会が行われていた。メンバーはハンドマッサージを年配の方に施し、被災者の方々の話に熱心に耳を傾けた。時折、笑い涙する姿も見られた。
ラブ・イン・アクション、コーディネーターの佐藤義孝氏は、集った方々に「震災で皆さんの喪失したものの大きさを僕たちが理解するのは難しいです。でも、皆さんのために祈ることはできます。」と熱く伝えた。「皆さんのために今祈ってもいいですか?」と尋ねると同意してくれる人が多かった。一人ひとりの肩に手を置き、佐藤氏が代表して祈った。手を合わせる人や、涙を流す人もいた。
自治会長さんは、「これまで、キリストさん(キリスト教会)のことはあまり知らなかった。でも震災が起きて、キリストさんの人達はすごいと思った。普段は目立たないのに、今はどこに行ってもいる。宗教はたくさんあるのに、キリストさんの力は強い。」と話してくれた。
参加した学生は語る。「自分が発した言葉で被災者の方を傷つけたらどうしよう、と不安だった。東京から来て、自分に何かが分かる訳でもない。でもJCCCの仲間たちと接していくうちに、被災者の方とどういう気持ちで向き合えばいいのかを教えられた。」
12月25日
三日目は、気仙沼湾の東に位置する唐桑半島へ向かった。市の社会福祉協議会の方2名の案内で仮設住宅を回る。昼食時に「お休みはあるんですか?」と質問すると、その一人が答えてくれた。「定期的に仮設住宅の見回りもしているけれど、部屋から出てこない人もいる。訪ねても『今は休みたい』と断られるときもある。仮設に住んでいる人達のことを思うと、休みの日でも自分だけ楽しいことはできない。」
夜は、宿泊先でクリスマス礼拝を行った。ある一人の男性が招かれた。その方が経営する会社が津波で流され、8月に学生たちがその会社の泥出し作業を行った。その時から電話で連絡を取りながら関係を保ち続けている。今まで被災地でJCCCのメンバーが誰かに食事の招待を受けることはあっても、自分たちが誰かを招待し、礼拝を持つのは初めてのようだった。
「僕たちの神様を一緒に信じませんか?」リーダーがその方に提案した。彼は、「私は既に信じているものがあるし、どの神様も結局同じだと思う。」と拒んだ。関係を築いても、相手が本当に心を開くまでには時間がかかるようだ。
(続きは本誌で。)
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