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レポート

イースター礼拝に未信者溢れる

宮城県 石巻キリスト教会

津波に襲われた教会

 イースターの日の4月24日、2週続けてボランティアをさせていただいた基督兄弟団・石巻キリスト教会の会堂で、震災後初めてとなる日曜礼拝が行われました。それまでは信徒宅で礼拝が守られていました。

石巻キリスト教会

 同教会は古い借家の教会で、一昨年、及川栄夫牧師が天に召されてからは、50?以上離れた基督兄弟団・仙台教会の伊藤諭牧師が兼牧しておられます。とても小さな教会で、信徒数も少なく、そんな中での今回の震災でした。

 数少ない教会員の多くは、石巻市よりも被害の大きい女川町の方々で、お一人はご主人の目の前で車に乗ったまま流され、5月になって遺体で発見されました。

 教会の建物は、津波によって天井まで浸水した後、1m20?ほどの高さで止まり続けたそうです。会堂全体が泥まみれになり、教会員でもある大家さんは会堂の取り壊しを望みました。

 しかし伊藤牧師は、すぐに石巻の被災者の為に立ち上がりました。仙台の自宅は地震で室内が散乱してしまうなど生活にも困難が生じましたが、自分たちの事は二の次で、ご家族と支援団体と共に石巻の教会の整備に取りかかったのです。

物資の配給から礼拝へ
 石巻キリスト教会の周囲は、震災から1月半が経過しても全く手つかずで、時間が止まったように放置された家が残っています。そんな地域の中 で、教会が物資の配給、炊き出し、心の癒しの場として用いられ、地域住民の命綱とも言える存在となっています。

 教会では連日200?300名の方に物資を配っていますが、数に限りがありますので、お渡しできるのは一人数点となっています。それでも人々は、1時間ほど歩いて、または自転車で40分かけて教会に辿り着き、文句も言わずに3時間ほど並んで物資を受け取ります。そして「ありがとうございます」と言いながらホッとした表情で帰って行かれます。

 そんな中で4月24日、震災後初めてとなる礼拝、奇しくも主イエスの復活を記念する「イースター礼拝」が行われることになりました。

 物資配給の際に「日曜日のイースター礼拝にいらしてください。」と一人ひとりに丁寧に声を掛けるスタッフの声に、たくさんの方が「はい」「礼拝に来てみたいです。」「楽しみにしています。」などの返答がありました。

 不信仰な私は、きっと物資をもらうための社交辞令だろうし、そんなに言ったら逆に敬遠されてしまい、物資さえももらいに来なくなってしまうのではないか、と心配していました。

会堂に溢れる人々
 イースター礼拝前日の土曜日、牧師と教会スタッフ、ボランティアで、一日がかりで物資が山積みになった会堂を整理し、30脚ほどの椅子を並べ、30個のイースターエッグを準備しました。私の予想では、新来会者は多くても10名くらい、教会員とボランティアを入れても椅子は20脚もあれば十分だろうと考えていました。

 ところが日曜日の朝、伊藤先生たちが教会に到着したときには、すでに玄関前に列ができ、礼拝開始45分前には並べてあった30脚の椅子がすべて埋まってしまいました。最終的には、人々は椅子のない通路にも座り、会堂の外にまで人が溢れ、50名ほどの新来会者で埋め尽くされてしまいました。

 礼拝が終わると、彼らは礼拝の感想を嬉しそうに語り合い、準備してあった聖書もすべて無くなり、「せめて週報が欲しい。」それも無ければ、「今日聞いた聖書の箇所を先生に書いてもらうまで帰りません。」という方までおられました。御言葉に強く飢え渇いておられました。

 そして礼拝後のお食事では、年配のご婦人が「おいしい、おいしい」とシチューとお握りをおかわりされるなど、ほとんどが初対面の方同士なのに、和やかな交わりを楽しみました。そして「来週もまた来ます」と言って帰って行かれました。

 「礼拝に来ます」と言ったのは、決して社交辞令ではなかったのです。確かに主が、被災されたお一人お一人を愛しておられ、この教会へと導いてくださったのです。

2匹の魚と5つのパン
 私たちがボランティアさせていただいた時には、朝晩のミーティングとデボーションを持ちました。そこには手伝いに来られた未信者の方も参加され、いつも感動の涙を流しておられました。

 ただでさえ負担の大きかった教会です。これが教会を閉じる良い機会だと考えて実際に終わりにしてしまっても、誰も文句は言わなかったと思います。また、物資の配給なんかせずに、残された教会員のケアだけを考えても十分な働きだったと思います。

 物資が山積みにされ、ごった返した会堂を見ると、時々途方に暮れることもあります。「こんな状態で礼拝ができるのか?」と非難されることさえあります。

 でも、2匹の魚と5つのパンで群衆の空腹を満たしてくださった神様が、牧師先生と教会のメンバーを奮い立たせ、今や日本中、世界中から祈りと支援、ボランティアが押し寄せているのです。震災前には誰もなし得なかった奇跡を、神ご自身が石巻キリスト教会に起こしてくださっているのです。

 しかし同時に、震災から50日以上が過ぎて、肉体的にも精神的にも霊的にも、大きな戦いが起きています。牧師先生、スタッフ、教会員のほとんどが被災者であり、自分の家族の問題と被災者への支援の両方を抱えています。新来会者が多く与えられましたが、それぞれの方が抱える問題は大き過ぎますし、伊藤先生はじめ教会のスタッフの皆さんは、与えられた責任の大きさを受け止めきれるかどうかと苦悩しています。

 私は、しばらくは現地に行ってボランティア活動をすることはできませんが、日々被災地に想いを寄せて、そこで働かれる方々の支えと、被災者お一人お一人に主にある生きる望み、永遠のいのちへの救いがあることを祈りつづけて行きたいと思っています。

(記・大倉朝子 奥多摩バイブルシャレースタッフ)

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