信徒を伝道者にする教会
教会は、松原チャペルを中心として、国内に14の枝教会、海外に25の伝道拠点を持つ。国内の枝教会は、日本人牧師が開拓した教会の他、アフリカ人、フィリピン人、ブラジル人たちが独自に開拓したケースも多く、そこでは外国人と日本人が一緒に礼拝を捧げている。
海外の枝教会は、日本で救われた外国人が母国に帰って教会を始めるケースも多い。天野牧師は、彼らを強くは管理せず、比較的自由に集会や伝道を任せている。その熱心な祈りと伝道からは、多くのことを学ぶという。
礼拝出席者は、日本人の大人で500?600名(松原チャペルで約300名)、国内のチャペルを中心に外国語礼拝で1300名ほど。総計2千名を超える人々が同じネットワーク内で主を礼拝している。教会学校も盛んで、300名以上の子供たちが集う。
開拓を始めるにあたり、天野牧師は「宣教師型」をモデルにした。それは、「英会話」や「パーティ」「講演会」等で人を集め、教会を一つのコミュニティーセンターにするかたち。神学生時代に派遣された北海道で、アメリカ人宣教師ロバート・ハイムス氏の開拓方法から感化を受けた。
英語ができる天野氏も、若い宣教師と共に有料(1レッスン500円)の英会話教室を始めた。これが見事にあたり、毎日100人以上の未信者が教会に出入りするようになった。教会がある地域は文化的なサークルも多く、住民のニーズに合致したのだ。
協力宣教師はその後5人に増え、彼らはレッスン料で自活できるまでになった。集まった生徒は、ほとんどが20歳前後の若い青年。彼らを「聖書カウンセリング」によって信仰に導き、礼拝をバイリンガルにして礼拝出席を促した。その結果、主を信じて洗礼を受ける人も増えていった。
しかし同時に、次の課題が生じてきた。それは「彼らをいかにしてキリストの弟子にするか」ということ。交わりを楽しむ、自分にメリットがあるから教会に来る、という段階から、自ら犠牲を払ってキリストに従うクリスチャンへの転換だ。
しかし程なく、否応なしに教会全体が訓練の中に放り込まれた。信徒の中に悪霊現象などが現れ、祈らざるを得なくなったのだ。開拓6年目のことだった。
そしてちょうどその頃、韓国人宣教師とのつながりが生まれ、早天、徹夜、断食祈祷などが採り入れられていった。祈りは、信徒一人ひとりを成長させた。「そこで思いっきり教会の方向性が変わりました」と天野氏は当時を振り返る。
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