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レポート

日本ペンテコステ・ネットワーク発足

聖霊の働きを重視するグループの「窓口」に
日本ペンテコステ・ネットワーク発足

設立の経緯

これまで神学的な立場の相違などから距離を保ってきたペンテコステ・カリスマ派の諸団体が、御霊による一致を求めて「日本ペンテコステ・ネットワーク」(JPN)を設立した。11月30日、東京・駒込の日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団中央聖書神学校チャペルにおいて発足式が行われた。

発足時にJPNに加入したのは、日本ペンテコステ協議会(JPC)の加盟10教団、日本リバイバル同盟(NRA)、日本ペンテコステ親交会(JPF)、関東宣教協力会、福音宣教協力会、日本フルゴスペル教団、日本ベテルミッション、日本福音宣教会、聖霊刷新協議会、FGBジャパン、大阪救霊会館、宣教師訓練センター、CFNJ聖書学院、アンデレ宣教神学院、拡大宣教学院、中央聖書神学校の25団体。

JPCはペンテコステ信仰に立つ教団グループであるのに対し、NRAは「日本のリバイバルを求める」との目的で結集した教会と個人、JPNはこれらを包括するネットワークとなる。設立趣意書には「このネットワークは、性急に組織化せず、まず現在活動している全てのペンテコステ・聖霊派の諸団体の働きを尊重し、ハブ(中継基地)のようにお互いの力を結集することを目指します。」と書く。

同時に、「信仰宣言」として9項目を挙げ、それに同意することが条件となっている。そこには、聖書の霊感、三位一体、キリストの神性、十字架、復活など基本的な信仰宣言と共に、「異言の証拠を伴う聖霊のバプテスマを信じる」「聖霊の今日的働きによる肉体の癒し、および種々の聖霊の賜物を信じる」などペンテコステ派らしい信仰宣言が盛り込まれている。

目的としては、以下の3項目が挙げられている。?世界的ペンテコステ団体や集会への日本の窓口的役割、?日本のキリスト教会の一致の為、日本聖霊派の窓口的役割、?ペンテコステ信仰の神学的・教理的面の次世代への継承。

主流派には日本キリスト教協議会(NCC)、福音派には日本福音同盟(JEA)という窓口があり、今回初めて聖霊派としての窓口が生まれたかたちだ。NRAも当初それを目指したが、同時期にJPCが設立されたこともあり、窓口にはなり得なかった。

設立の経緯は、日本ネクスト・タウンズ・ミッション代表の三坂正治氏が、JPCの内村撒母耳議長(当時)とNRAの村上好伸委員長(当時)に「何とか一つになる方法はないでしょうか」と話を持ちかけたことに始まる。その時は、それぞれが話を持ち帰るということになったが、2010年のJPC総会において三坂氏がさらに訴え、JPC執行部が前向きに検討を始めた。その後、JPC執行部はNRA、JPFの代表者たちとも話し合いを重ね、今回の設立に至った。

発足式

11月30日の発足式には30名ほどの代表者と、来賓としてNCCの小橋孝一議長、JEAの品川謙一総主事が参加した。

メッセージを語ったのは、JPN提唱者の三坂正治氏。ヨハネの福音書17章から、教会が一致するところに喜びが与えられ、キリストの御体の栄光が現され、世がイエスご自身を信じるようになることを強調した。

また、世界の人口が60億人のときにキリスト教徒が20億人であり、そのうちカトリックが10億人、ギリシャ正教が4億人、プロテスタントが6億人、プロテスタント6億人のうち5億人がペンテコステ・カリスマ派であることを強調し、アジアやアフリカ、南米などの第三世界で同派が急伸している状況を示した。

設立経緯報告を行った細井眞氏は、福音派の牧師たちから「日本の聖霊派は一体どこが窓口なんですか?」と質問されてきた事実を挙げ、今回のJPN設立の意義を説明した。また、「JPN発足の最大の目的は日本の救霊にあります。日本の1億3千万の救いのためにJPNが用いられるように。まずこのペンテコステで一致して、神様の御業を拝させていただこうではありませんか!」と訴えた。

祝辞は、4名の牧師が行った。稲福エルマ氏(JPF常置委員長)は、キリストの宮きよめの箇所から、教会や団体が人々の祝福を奪う「強盗の巣」ではなくて、祝福を提供していく「祈りの家」になるべきであり、JPNにもそのことを願っていると述べた。

水野明廣氏(NRA委員長)は、1970年代に滋賀県の大津市や東京の初台でカリスマ集会を導いたプリチャード牧師のメッセージが、いつも「一つになりなさい」「互いに愛し合いなさい」であったことに触れ、JPNが組織のための組織にならないように、ペンテコステという肩書きではなく、文字通り聖霊によって活動し、生きている、そういう教会になるべきだと勧めた。

品川謙一氏(JEA総主事)は、2年前に世界キリスト教協議会(WCC)の呼びかけで韓国・オサンリ祈祷院で行われたグローバル・クリスチャン・フォーラムの証しを語った。そこでは、アジアを中心として世界各国から主流派、福音派、ペンテコステ、ギリシャ正教、カトリックなど様々な教派の代表者が集まり、交流を深めた。皆が「私はどうやってイエスに出会ったか?」という証しを語り、その証しに教派の壁はなく、イエスによって救われた一つの神の家族が共に集まる広場(フォーラム)だった。日本からはJEAの代表として品川氏、またNCCの代表者も来ていたが、ペンテコステ派からは来ていなかった。

品川氏はその事実を語りつつ、「そういう意味では、こうして一つの窓口をつくられたのは日本のキリスト教会にとって非常に大きな出来事。ぜひJPNと手を携えて、力を合わせてやっていきたい。」とJPN設立に賛意を示した。

小橋孝一氏(NCC議長)は、「先ほどからNCCに関して社会派だとか主流派だとか長男だとか、いろいろ言われておりますが」と笑いを誘った後、「一番根本は、キリストによって召された者たちの群れであります。それ以外の何者でもない。」と強調し、JPN設立が宣教のため、救霊のための一致であることに「アーメン」であると、信仰的同意を示した。

第2部は、お茶を飲みながら交わる時間だったが、JPN、NCC、JEAの牧師たちが共に談笑し、交わりを深めていた。

JPNの事務局は当面、日本アッセンブリー教団の本部に置かれる。発足に携わってきた細井眞(JPC)、中見透(NRA)、永井信義(JPF)の3氏が5年間、常設委員として働きを進める。JPNの代表は、暫定的にJPCの議長である細井眞氏が務める。
(本誌・谷口和一郎)

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