リバイバルジャパン取材日誌
イエス的な宣教
宣教に関して。
宣教に関して、これまでのイベント型の宣教と生活の場での宣教についていろいろと考えさせられている。いつかまた風知一筆に書くかもしれないが、いわゆる「癒しの伝道者」は、大会を開くことのみで日本を後にするのではなく、パウロやペテロのように、街に出て行って癒しをして欲しいと願う。街には病気の人が山ほどいる。そもそも、イベントをして、癒された人をステージに上げて、その様子をDVDに撮って(どこかが取材に来て)、自著も販売して、献金も募って、というパターンは、基本的に聖書にない。これは多分、アメリカの神癒の伝道者、オーラル・ロバーツから始まったのだろう。見せる癒しの集会。
私は、イベントの重要性や有効性も認める者だが、むしろ人々の生活の場に入っていって福音を語り、癒しを行い、必要であれば預言もする、という方がイエス的であるし、イベントのための時間と労力とお金を考えても、よっぽど効率的(あまりこの言葉は使いたくないが…)と思う。イエスの元には大群衆が集まってきたが、イエスは決してそれをショー化しなかった。深い憐れみの心で、一つ一つ丁寧に扱っていかれた。旧リバイバル新聞も、ベニー・ヒンなどのミニストリーを積極的に掲載してきた経緯があり、今後どのようなスタンスでそれらを扱っていくべきかを考えている。
また、油注ぎも、別に「海外の器」からもらわなくても、普通の信徒が一緒に祈っていたらそこに降る。「器から器へ」という按手の神学は、人間崇拝を生み出す危険性が高い。「○○先生の油注ぎをいただきましょう」という普通ではない言葉が普通に使われるようになる。過去に、3日ほどの伝道集会で旅費宿泊費とは別に1万ドル(100万円)を要求してきたアメリカ人伝道者がいたが、その要求を呑んだ日本側も同じ問題を抱えている。 また、「私の按手には力がある。あなたも癒しが行えるようになる。」と、按手を受けた人から各人50万円を徴収していた韓国人伝道者がいた。何人もの日本人がそれを払ったようで、彼はその後失踪した。
これからは、聖霊の賜物を生活の現場でどのように使っていくのか、イベントや教会の中だけではなく、教会の外でどのように用いていくのかが問われてくるだろう。イベントや教会の中で、麗しいワーシップが流れてからでないと福音が語れない、癒しのミニストリーができない、という伝道者は、聖書が言う伝道者ではなく、「20世紀の伝道者」である。
また、教会の説教では福音が語れるけれど、一人の未信者を前にすると福音が語れない、という牧師は、何かがおかしいように思う。これは、説教重視のプロテスタントの、非常に強烈な弱点でもある。私たちは「脱プロテスタント」「脱アメリカ的な宣教」をしなければならないのかもしれない。
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