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キリスト教雑誌 舟の右側

ワイチローの取材日誌

リバイバルジャパン取材日誌

イエスの伝道方法

更新日:2009年9月30日

日本伝道会議に通う道すがら、妻が「開拓伝道をしている女性の牧師から話を聞いたんだけど、教会に問題を持っている人ばかりが来て、なかなか教会形成ができないんですって」と言ってきたものだから、「そりゃあ、最初から看板を出すからだよ。イエス様は最初、自分から選んで救いに導き、弟子のチームを形成しただろう。それから、大衆に向かって伝道して行ったんだ。最初は、これぞと思う人を選んでこっちのイニシアチブで伝道をするんだよ」と、偉そうに口から出まかせ(出るにまかせ)で返答した。しかし、言いながら、案外これは大切なポイントかもしれないと感じた。

多くの教会は、最初から、来た人を伝道する。「主の導きだ」と言って。時に、誰もいない礼拝堂で何カ月も壁に向かって説教をしたことが美談として語られる。しかし主は、ご自分で出て行き、人を選んで弟子にした。ペテロを見、ヨハネを見、彼らを選んだ。そして弟子チームを作ったのち、大衆への伝道を開始した。

私たちが開拓伝道を開始するにあたっても、この原則でやればいいのではないだろうか。まず、キリストの弟子として共に働けそうな人を選び、伝道する。それが12人と行かずとも3人ほど集まれば、新たな伝道が展開できるはず。弟子訓練は、その後の伝道の中で同時進行していく。まずは選ぶこと。教会の看板は、それからでいい。

その際、開拓伝道者は、人々の生活の現場に入って行き、弟子を見つけ、救いへと導かなければならない。つまり、その能力があるかどうかが問われる。説教の能力ではない。カウンセリングの能力でも、路傍伝道の能力ですらない。人々の中に入り、一対一でキリストを伝える能力だ。何の興味もないように見える人々の内的な欲求を見抜き、それを表面化させてキリストを提示する能力。未信者とのダイアローグ。そして、人を見る目も持っていなければならない。

しかし、現在の神学校の多くは、神学を学ぶことと、説教の能力、牧会の能力をつけさせることに力を注いでいる。自教団の神学の継承と礼拝の主催、そしてカウンセリング。上手なワーシップリードができて魅力的な説教ができ、さらに子供の扱いが上手いと、「優れた神学生」となる。大人の一般人の中に入って行って弟子となれるような人を見つけ、救いへと導く能力。それがスッポリと抜けている。むしろ、大人の一般人と会話することもままならないまま現場へと遣わされていく。ただ説教はできるので、礼拝に「来る」人は救いへと導ける。しかし、教会の核となる人が集まるまでには、膨大な時間がかかってしまう。

問題を持つ人を伝道する必要がないと言っているのではない。順序の問題だ。核(弟子のチーム)をつくり、その後大衆へと向かっていくのだ。 そういえば、神はイスラエル民族を選び、その後全世界を救おうとされた。

「今の教会は内向きだから、外に向かっていかなければならない」とはよく言われる言葉だが、みんなで内向きの教育をしているのだから、どうしようもない。教会内の「弟子訓練」も同様だ。キリスト教国ならある程度それでもいいのだろうが、ここは異教の国である。欧米の神学校の教育システムをそのまま持ってきても、不備が出るのは当然である。人々の中に入れるたくましさを身につけないと、教会の中だけで評価される人材ばかりとなる。

以上、心に浮かんだことを書いてみた。基本的に人と交わることが苦手な私が書くのだから、あまり説得力はないだろう。しかし、結構重要なことではないかと思っている。

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