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地引網出版
キリスト教雑誌 舟の右側

ワイチローの取材日誌

リバイバルジャパン取材日誌

仕事と幸福感

更新日:2010年10月10日

先週の木曜日、リバイバル・ジャパン11月1日号の下版を終え、少しホッとしている。連日、午前2時とか4時に寝て、朝8時ごろ起きてまた会社に行くという生活が体にいいわけがなく、いつまで一人の編集を続けられるやらとも思う。

作業としては、いろんな牧師や信徒の方が書いて来られたものを「編集」するわけだが、さわる必要が無いぐらい完璧な文章を書いてくる方もいれば、時にはよく意味が分からない文章や冗長な文章を書いて来られる方もいる。それが仕事ではないのだから当たり前だ。一般的に、牧師は語ることや人の話を聞くことが仕事の中心を占め、書くことは主たる仕事ではない。そこで、それらを読者に届けるために、より意味が通じやすく且つその人の持ち味を消さない文章にするのが私の仕事となる。これは全く苦にならない。

心がけているのは、一旦その人に成りきるということ。もちろん、よく知らない人に成りきれるわけはないのだが、文章というのはその人の人柄をかなり現わしているので、入っていく。お偉い先生にはお偉い先生のようになり、若い女の子には若い女の子のようにになる。可能な限り近づこうとする。そして、だいたい1回の発行における編集で2度ほど涙ぐんでしまう。その方に働かれた神の愛が押し寄せてくるのだ。また、編集しながら神の知恵のようなものが与えられて、その方がまとめ切れなかった思いを追加文として書き加えることもある。(もちろんそれは、違ってたら変えてくださいと確認する。)

当然、自分が取材して書く記事にも力を入れる。今回の号では青森ジョイフル・チャペルの記事を書いたが、これまでで最長の1万字になった。新聞の時代は2000字程度、雑誌でも通常は4000字程度だが、今回は1万字でも書ききれないことがあった。各地域教会に役立つだろうなと思う内容がたくさんあった。

そうやって仕事をしていると、一つ一つの記事がとても大切なものに思えてくる。穴埋めの記事や体裁を整えるための記事など一つも入れたくないし、少しでも地域教会、各クリスチャンのお役に立てればと願う。先週も、ひとり夜中のオフィスで仕事をしながら、言いようのない幸福感に包まれた。このまま死んでもいい、と思える瞬間。ワーシップリーダーが礼拝で神と人に仕えているときに味わう幸福感、福祉関係のワーカーが1日の終わりに今日もたくさんの方のお役に立てたと感じる幸福感、そのようなものだ。

お金や人の評価を得たときに感じる満足感や安心感。何かを達成したときの充実感。それらも悪くはないが、この幸福感には変えられない。「ワーカーホリック」など仕事そのものに対するネガティブな言葉が多い昨今だが、もっと仕事をする喜びを語っていいと思う。ワーク・ライフ・バランスという言葉も、仕事はお金のため、人生の本番はそれ以外の生活にあると断言する方もいるが、本当にそうだろうか。私の場合、ワーク=ライフではないが、ワークがライフの主要な要素を占めている。また子供たちにも、人生を賭けられ、心からの幸福感を持てる仕事に出会ってほしいと願う。

以前、一般の会社で働いていたとき、私はいつも周囲に対して怒っていた。「納期が遅れた」「なんでこんないい加減な仕事をするのか」と。心には何がしかの不満があった。もっと幸福感をもって仕事をしていたら、人生は楽しかっただろうし、同僚とも仲良くできて、より良い仕事もできていただろうにと思う。

また教会も、たくさん稼いでたくさん献金してください、という姿勢ではなく、教会員一人ひとりが世にあって行う仕事や家事の価値を認め、それを応援してほしいと願うのだ。そこにあなたの「本番」がありますと。

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