舟の右側
地引網出版
キリスト教雑誌 舟の右側

ワイチローの取材日誌

リバイバルジャパン取材日誌

心の不調との戦い

更新日:2012年8月30日

実はここしばらく、精神的な不調が続いていた。東日本大震災から1年後の現地取材を終え、記事を書き終えた今年の4月あたりから、仕事をする気力が全く湧いてこなくなり、取材をすることや編集をすることが苦しくなった。感動や喜び、心の震えもなくなり、ただ月2回の締め切りを何とかこなすばかりとなった。さらに、単行本の新刊の編集作業も重なり、全てを投げ出してしまいたい衝動に駆られた。燃え尽きや鬱の寸前という感じだった。

この状況をある心の専門家(クリスチャンの方)に相談したところ、「東日本大震災の取材で受けたダメージが大きいのではないでしょうか。」ということだった。さらに、編集長と経営者の両方の責任を兼ねているため、記事のことも経営が苦しい状況も、自分で受け止めなければならない、などを挙げられた。震災後、原発が次々と水蒸気爆発をする中で現地取材に赴いたことなどが、長いダメージになっていたのかもしれない。当時、記者は私一人だけだった。

自分の心が「やばい」(ヤバイ、ではありません。)状況になったとき、どうすればいいのか、私はよく分からなかった。「休めばいい」と言うけれど、私の場合は定期刊行物を出し続けていることもあり、長期の休暇は取れない状況だった。収入が止まって、借金だけが残る。そんなとき、ある本に、日常の作業を止めてしまうのではなく、ペースを落として、少しずつもつれた糸をほぐしていく、ということが書かれてあった。

そこで、取材が入ったり、家の礼拝でメッセージをしたりする土日とは別に、火曜日を完全休養日として、ひとりで山歩きをすることにした。険しくなくてほとんど人に会わない山に行き、5時間ほどひたすら歩き続ける。毎回、自分の心との対話、神との対話が進み、自然の中で生命力が刺激を受けているのも感じた。自分の心が壊れないように、完全に倒れてしまわないように、細い橋を渡るような日々が続いた。

編集している「リバイバル・ジャパン」は、何とか出さなければならないので、下版間近になるとフェイスブックに記事をアップしては、皆さんの「いいね!」を励みにした。孤独になりがちな働きの中で、神の家族との繋がりが欲しかったのだろうと思うし、実際、励みになった。

さらに、以前に鬱になって長い期間働きを休まなければならなくなった宣教団体のリーダーの方に時間を取ってもらい、アドバイスを受けた。彼女は、自分たちの発行するニュースレターに私のことを書いて、祈りを呼びかけてくださった。また、私の所属教会でも牧師、信徒の方が心を尽くして祈ってくださった。これらの「とりなしの祈り」の力は、実際に強力で、新刊『地上で最も力ある祈り』は、そのお陰で出版できたと言える。

一昨日は、妻と一緒に山梨の西沢渓谷にハイキングに行ってきた。「この方向を見てるから撮ってくれ」と言って撮ってもらったのがこの一枚。ちょっと格好つけている。まだ心は本調子ではないが、7割ぐらいは回復したように思う。無理をせず、自分なりの回復の仕方で一歩一歩。

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