舟の右側
地引網出版
キリスト教雑誌 舟の右側

ワイチローの取材日誌

リバイバルジャパン取材日誌

船の中に居続ける

更新日:2014年6月 4日

教会や会社やチームミニストリーの中で、私たちは意見を出し合って物事を決めていく。そのとき、自分の意見やアドバイスが決定事項に反映されないことがある。すると時に、攻撃的な態度を取ったり、ふてくされたりする人もいる。また、どうにかして自分の意見を通そうと、周囲を操作したり、支配的になったりするケースもある。神はそのとき、どのように働かれるのだろうか。

使徒の働き27章を読むと、囚人となったパウロが船でローマに移送される様子が描かれている。9,10節でパウロは、時期的に危険なので船出を遅らせるようにと進言する。しかし、航海士と船長の判断が優先され、船は出航。ほどなくしてユーラクロンという暴風雨に巻き込まれ、沈没の危機を迎える。

その中でパウロは、神からのメッセージを受け取り、この船は失われるが、乗員は全員助かると知る。そして、「元気を出しなさい」(22,25節)と皆を励まし、死の恐怖で食事も取れなくなっていた人々を前に、日常の活動「パンを割いて食べる」という行為をもって正気に返らせ、元気づける。結果、276人全員が助かるところとなり、パウロもその後、無事にローマに到着する。

ここで教えられるのは、神の計画は、私たちの間違った判断をも超えて実現に至るということ。だから、自分の意見が通らなかったからといって、ふてくされる必要はない。もうこの教会は駄目だと失望する必要もない。万軍の主の熱心が、そこから私たちを建て直してくださる。大切なのは、その危機の中で神の御声を聞き、信仰に応じて周囲を励ますことだ。

韓国のセウォル号の事故において、乗組員や高校生たちの中に、何人ものクリスチャンがいたであろうと思う。そして、その危機的状況の中で、神の声を聞き、周囲を励まし、神のメッセージを伝えたクリスチャンがいたかもしれない。もしそうであれば、肉の命は失われても、霊のいのちが助かった人がいる。

私たちも、自分が乗っている船(国家、教会、会社)が、リーダーの間違った判断によって危機的な状況に陥ることがある。その時、そこから逃げ出すのも一つの方法であろうが、そこに留まり、神の声を聞き、周囲を励まし、神のメッセージを伝えるという生き方もある。ともあれ、最終的に、神は御心をなされるのだ。その絶対的な安心感と安息の中で生きる者でありたい。

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