リバイバルジャパン取材日誌

解答のない問題

先月のメルマガに掲載したコラム

関東のある教会で、一つのことが話し合われました。毎週の礼拝に出席している一人の心を病む女性が、礼拝中に奇声を上げることがあり、どうしたらいいだろう、というものでした。礼拝を静粛に保つには、その女性に退席してもらわねばならず、かといって、イエスを信じて礼拝を捧げようとする方をそのように扱って良いのか...、なかなか答えの見いだせない議論が続いたそうです。

結論としては、大きな声を上げ続けるようなら隣の部屋に連れて行く、というものでしたが、会議を終えた教会員の顔は皆晴れやかで、「本当に、今日の会議は良かったね」という声が聞かれたそうです。出した結論よりも、一つの問題に対して、神を愛し、人を愛することの実践について共に悩み、共に話し合った、そのプロセスが素晴らしかったというわけです。

私たちは教会において、向き合うべき課題や問題を避けてしまうことがあります。あるいは、聖書からすぐに結論を出して、自分の聖書解釈の正しさを相手に認めさせようと躍起になることもあります。問題そのものの解決よりも、自分の義を通そうとする姿勢。そんなとき、「正しい結論」は出せたとしても、後味は悪いものとなります。

その教会は、白黒つけがたい難問に対して真摯に向き合うことにより、結果的に、教会員同士の愛が深まることを体験しました。神様は、正しい結論を最短の時間で出すことよりも、そのプロセスを通して教会員同士が愛し合うようになる、教会に来始めた人のことを真剣に思いやるようになる、そのことの方を喜ばれると思います。そのためにあえて、「解答のない問題」を私たちの前に置かれるのかもしれません。